「自分のキャリアは世の中で通用するのか?」 子の誕生をきっかけに芽生えた、将来への不安。
プラスチック製品のメーカーで、生産技術として働いていた中村さん。会社から与えられた新規のミッションを次々にこなし、30代半ばで「次は課長」との声もかかっていた中村さんですが、子どもを授かったことをきっかけに、自らのキャリアを見つめ直します。そして感じたのです。「自分は会社の敷いたレールの上を歩いているだけ。社外に通用するスキルを蓄積できていないのではないか」と。
そして中村さんは転職活動を開始。「三重の自宅から通勤できる範囲」を条件に活動した中村さんが発見したのは、日東電工(株)でした。
日東電工の新規事業開発部署で、新製品開発における生産技術に取り組み、「生産技術の世界はこんなにも奥深いのだ、とワクワクしている」と笑う中村さん。彼は仕事に、そして家事・育児にと、充実した人生を送っています。

<プロフィール>
中村悠人
日東電工(株)の新規事業開発部署で生産技術に携わる。
1988年生まれ。
岐阜大学大学院・工学研究科応用化学専攻修了。
愛知県出身。配偶者と2人の子どもと共に三重県で暮らす。
◆会社の敷いたレールを歩いているだけでは?
清原
中村さんは前職で10年勤め、課長職も間近で将来を嘱望されていたように思えますが、なぜ転職を考えるようになったのですか。
中村
会社の外で通用するキャリアを築けていないのではないか、という不安を感じたのがきっかけです。就職して、自動車関連製品の試作~量産にまで幅広く関わる生産準備という仕事を続けてきました。会社に請われるままあちこちの現場に行き、成果を出してきたつもりです。
でも子どもが生まれ、4ヶ月の育児休暇を取り、初めて立ち止まってキャリアを見直す時間ができました。そして「会社の敷いたレールの上を歩いてきただけではないか」と気づいたのです。
清原
そう考え始めたのは、お子さんの影響もあったかもしれませんね。
中村
配偶者ができ、子に恵まれ、自分だけの人生ではなくなりましたから。私一人なら、気にも留めなかったでしょう。
清原
敷かれたレールという意味では、課長の先は役員もあり得た。なのに不安は消えませんでしたか。
中村
管理職昇進は嬉しくもありますが、業績に対する責任の大きさも変わります。マネジメントの勉強などろくにしていない自分にメンバーを率いる力量などあるのか、と疑問でした。敷かれたレールを漫然と歩くのではなく、レールの外側を経験し、もっとキャリアを磨きたいと思ったのです。

◆落ち着いて子育てがしたくて
清原
中村さんは愛知出身、配偶者の方は奈良ですよね。愛知や奈良に移る選択肢はなかったのですか?
中村
前職の本社は奈良で、就職直後は奈良勤務でしたが、1年で三重の工場に異動。次に愛知の工場で3年。途中、九州に半年ほど応援で行ったこともあります。その後、第一子の誕生もあって三重に戻してもらいました。あちこち移住するのではなく、落ち着いて子育てしたい、と長女が生まれる前に三重に自宅を購入したのです。そういう事情で、三重の自宅から通える範囲で会社を探そうと思いました。
清原
前職でいろいろ異動されていますが、中村さんの希望でしたか。
中村
会社の方針です。各現場で新製品を立ち上げるとなると任されることが多く、頻繁に異動していたのだと思います。新しい製品を試作し、量産まで持っていくプロセスを構築するのは調整に手間がかかりますし、協力会社に対して良好な関係を築く能力が人より秀でていたから会社に判断されたのだと理解しています。
実はインド赴任も打診されました。渡航準備も整えていたのですが、ちょうどコロナ禍となったため中止になりましたが。
清原
津市に住んで何年ぐらいですか。
中村
12年ぐらいです。「津は県庁所在地なのに、何も無い」とよく言われるのですが、私自身は特に不便は感じません。四日市や鈴鹿、あるいは大阪・名古屋など、車でどこに行くにも便利ですよ。
◆私の思いに最後まで寄り添ってくれた
清原
転職活動で困ったことや不安などはありましたか。
中村
私は三重県で働くことを前提として、前職で培ったプラスチックの射出成型に関する生産技術の経験を活かしたいと考えていました。しかしそこに固執するのではなく、新たな分野にチャレンジしたいという思いもありました。前職で幅広い業務を任されていたので、もう少し組織がシステマティックに役割分担されており、自分の担当領域を深められる仕事をやってみたい気持ちがあったのです。
転職サイトに登録すると、様々な転職エージェントから「こんな仕事がある」とオファーをいただきました。しかし、私に合った仕事かどうか吟味されておらず、志向を尊重してくれていない…と感じるものも少なくありません。志向に合わない仕事をいくら紹介されても、選択しようがありません。その点は困りました。
清原
アーリー・バード・エージェントに期待したのはどんなことでしょう。
中村
転職活動を始めて、ひとくくりに「人材紹介会社」と言っても、各社の強みが違うことに気づきました。アーリー・バードに期待したのは、「地元に強い」点です。
地元に特化し、三重県の企業を訪問し、人事担当者やそこで働く人々のナマの声など、求人票に載っていない情報も伝えてくれます。アーリー・バードさんにお願いすれば、志向に合った求人に出会える、と思いました。
清原
当社のサービスについてはどのように感じておられますか。
中村
アーリー・バードさんはフットワークが軽く、質問すると、すぐに企業側に尋ねて回答を返してくれました。
何より、「前職経験の焼き直しだけでなく、役割分担が整備された新たな分野へのチャレンジにも興味がある」という私の要望を的確に理解して、日東電工という、私にとってチャレンジとキャリアアップの両面が実現できる会社を紹介してくれたのは、清原さんだけです。
私は別の会社から既に内定をもらっており、あまり長く返事をお待たせするわけにもいかないため、との面接を早く進めないといけないという事情を抱えていました。そのことを包み隠さず話すと、清原さんは素早く動き、タイトなスケジュールの中でも日東電工との調整に尽力してくださいました。また、日東電工においても、採用担当の方を中心にご対応いただき、限られた時間の中でスピーディーに選考を進めてくださったことに、心から感謝しています。おかげで、最終的に日東電工への入社を決断することができました。

◆育児に、自己研鑽に、と忙しくも楽しい
清原
前職と比べ、今の仕事はどんな風に変わりましたか。
中村
前職では自分で担当しないといけないことが多かったですね。こういう機械が欲しいと思ったら、メーカーを選定し、予算を組み、上司を説得して導入までやらないといけませんでした。裁量の範囲が大きいとも言えますが、一つの業務に集中するわけにいかなかった部分もあります。
今は役割分担がはっきりしていて、周辺のことまで煩わされず、生産プロセスをしっかり考えていけます。前職は「広く、浅く」でしたが、日東電工の生産技術は「専門分野に、より深く」というイメージです。
事業開発の担当者から、新製品に関して「こういう風に生産したい」と相談があった時、新たな生産機械が必要だけれど、そもそもそんな機械が世の中にあるのか分からない…ということもよくあります。どうやれば実現できるか、知恵を巡らさないといけません。言われるがままではなく、こちらから提案していかないといけない、という部分にやりがいを感じます。
清原
日東電工さんは技術開発に強みのある会社ですが、その重要な役割を担うのが生産技術、と言えそうですね。入社からこの2年で、どれくらいの試作・量産案件に関わったのですか。
中村
2件です。どれも新規開発の案件なので、1件にかかる時間がとても長いんです。前職で10年もやってきて、自分なりにはある程度のレベルまで来たつもりだったけど、まだまだ生産技術の世界の奥は深いのだ、とここに来て実感しました。
清原
生活面の変化はありましたか。
中村
転職して残業がほぼゼロになったおかげで、子どもと過ごす時間が増えましたね~。子どもは2人目が8ヶ月で、上は3歳。あちこち動き回って大変ですが、可愛くて仕方ないです。子どもをお風呂に入れるのは私の役目で、寝かしつけもやったりします。
子どもが寝た夜9時くらいからは、自己研鑽のために勉強しています。別に資格取得とかではなく、勉強すると業務に生かせる知識が増えるので、楽しんでやっています。
清原
自主的な勉強とは、前向きですね。
中村
周囲には、直接業務に関係なさそうな、世界情勢や経済の情報もきちんと学び、仕事に活かす先輩が大勢います。そういう姿を見て、自学自習の大切さに気づきました。自分で必要なスキルを学ぶことで、もっとステップアップできますし。職場まで車通勤なのですが、運転中も会社が用意してくれた研修動画の音声を聞いています。
◆志向を尊重してくれる転職コンサルタントとの出会いを大切に
清原
今後転職活動する方に向けて、アドバイスをお願いします。
中村
私とは少し事情が異なるかもしれませんが、「自分は今のままでいいのか」と悩む人は、結構多いように思います。そういう時は、求人票や転職サイトの情報を見たり、転職エージェントに登録してみるのもいいのではないでしょうか。そうすると、自分の市場価値が客観的に測れます。「自分は転職してもやっていけそう」と思えば、気持ちにゆとりも生まれるでしょう。そして本当に転職したいと考える時が来たら、自信を持って一歩踏み出せると思います。
転職を実行する際は、自分の志向を尊重し、不安や悩みに寄り添ってくれる転職コンサルタントの存在がとても大事です。自分が「これだ」と思える一社を厳選してくれる。求人票に載っていない、会社のナマの声まで届けてくれる。私はそういう転職コンサルタントで出会えました。みなさんもぜひ、信頼できる転職コンサルタントを吟味してください。
清原
仕事について、ゆくゆくはこうなりたい、などの目標はありますか。
中村
今やっている、新規案件の生産技術という仕事には奥の深さを感じますし、魅力もあります。このように、自分からどんどん深めていきたいと思える領域をあといくつか持ちたいですね。例えば、生産技術の前工程にあたる部分とか。さらに、新規製品の出発点となる事業企画の分野とか。私が自己研鑽をしているのは、そういう領域を任される時が来ても応えられるようにしておきたいからです。
【担当コンサルタントより】
「広く浅くではなく、専門性を深めたい」ー中村さんのこの言葉が強く印象に残っています。転職に対する迷いも率直に共有いただいたことで、私はまず、ご経験の棚卸しを丁寧に行い、志向に沿った企業のみをご紹介しました。なかでも日東電工さんは、新たな挑戦とキャリア形成を両立できる数少ない企業と感じ、強くご提案しました。選考スケジュールに制約がある中で、日東電工さんには採用担当の方を中心に迅速かつ柔軟にご対応いただき、マッチングが実現しました。採用における企業側の本気度は、スピードと熱意に表れると常々感じています。今後も意欲ある転職希望者と、本気でキャリア採用に取り組む企業の最適な出会いを支援してまいります。